
説明
さくらんぼはよく冷やすと酸味がおさえられ、甘味が引き立ちます。
冷蔵庫で冷やしたさくらんぼを氷水がはいった器にいれてデザートや
おやつとして食べるのもよいでしょう。 ナポレオンや高砂といった品種も
美味しいのですが、さくらんぼはやはり「佐藤錦」でしょう。拡大写真へクリック
大正元年に山形県東根市の佐藤栄助氏が交配育成し、その名にちなんで
昭和3年東根市の中島天香園が佐藤錦と命名しました。その後も品種改良が進み、
その味は現在でもさくらんぼの最高峰です。
◇さくらんぼは同じ種類では実がなりません、でもだからといって、
違う種類ならばなんでもいいわけでもありません。
まず種類ごとにいくつかのグループに分かれます。次にそのグループ内の組み合わせでは
絶対に実がならないというのだから大変です。更に先に咲く花が、後に咲く花に花粉を
あげることはできても、後に咲く花が、先に咲く花に花粉をあげることはできないので、
組み合わせと一緒に開花時期も考えなければいけません。
◇さくらんぼの値段はなぜ高い?
さくらんぼの値段が高い原因として考えられるのは、「人件費」でしょう。
さくらんぼは、とてもデリケートな果物で、作業の大半は人の手作業で行わなければなりません。
オウトウ一本あたり5,000個から10,000個にものぼる実の収穫はもちろん、実割れを起こす原因
である雨や、さくらんぼの大敵の鳥や病気から守ってやらなくてはいけません。
大事に大事に育てた文字通り「箱入り娘」が、さくらんぼというわけです。
山形県におけるさくらんぼの栽培面積は、約2,500haである。このうち、品種構成では
「佐藤錦」が約8割を占めている。 昭和50年代までは、加工向け生産がほとんどであったため、
果肉が固く豊産性のナポレオンを中心に栽培され、佐藤錦は雨による実割れが多いため、
一部生食向けに栽培されている状況であった。
山形県は、梅雨時の降雨が全国で最も少ない地域ではあるが、それでも降 雨は避けられないため、
赤く熟す前の「黄色いさくらんぼ」を収穫していたのである。
昭和60年代から、パイプハウスの屋根部分にビニールを被覆する「雨除けハウス」が普及すると、
完全に熟すまで収穫期が延ばせるため、佐藤錦本来の真っ赤で美味しい食味が出せるようになり
、佐藤錦への改植・新植が進み、今日の王座を築いたのである。
佐藤錦は、大正始めに東根市で生まれたが、その誕生秘話を紹介しよう。
東根町三日町に生まれた「佐藤栄助」は、明治41年に株投資に失敗して家業(醤油醸造)を廃業し、
明治のはじめに、時の政府は欧米から輸入した桜桃(さくらんぼ)を全国20県に配布し、栽培を試みたが、収穫期が日本特有の梅雨の季節と重なるためことごとく失敗し、山形県内で細々と試作されているに
過ぎなかった。
栄助は、この苗木数種を買い取り、自分の果樹園に植裁し、当時開通したばかりの鉄道により
関東方面に出荷できないかと考え、甘いが果肉が柔らかく保存の利かない「黄玉」と、
酸味は多いが果肉が固く日持ちがいい「ナポレオン」を交配し、大正元年ころに質の良さそうな20本を選抜した。
さらに育成試験を繰り返し、大正11年に「食味も日持ちもよくて、育てやすい」新品種の育成に成功し
栄助の友人である苗木商「岡田東作」はこの新品種の将来性を見抜き、昭和3年に佐藤栄助の名を取って
「佐藤錦」と命名し、世に送り出したのである。
栄助は、「出羽錦」との案を出したが、東作は「発見者の名前を入れた佐藤錦がいい」と
押し通したといわれており、新品種の育成からおよそ80年、今もさくらんぼの王様に君臨する
比類なき特性を持つ「佐藤錦」によって、今日の果樹産業の隆盛を築いたといえるのである。
1.さくらんぼが日本に入ってきたのはいつごろか。
◇ さくらんぼは、トルコ原産のバラ科の植物で、ヨーロッパの地中海沿岸やアメリカ西海岸で
多く作られています。
◇ 日本へは、明治の初めころにヨーロッパやアメリカから導入され、全国に苗木が配布されました。
山形県でもこのころ植え付けされたようです。
2.主に山形県で栽培されるようになったのは、なぜか。
◇ 山形県は、夏は暑く梅雨のときも雨が少なく、風も強くないなど、さくらんぼが育つのに
適した気候であることから、山形県内で多く栽培されるようになったといわれています。
◇ 山形県は、全国の約6割の栽培面積、4分の3以上の生産量となっており、うち東根市は、
全国の2割以上の生産量を誇り、日本一となっています。果樹王国東根様から引用しました。
種類 早生種(はやい) 中生種(中くらい)
晩生種(おそい)
収穫期 5月下旬〜6月上旬 6月中旬〜下旬
7月上旬〜中旬
品種名 日の出、セネカ
シャボレー、紅さやか
高砂(たかさご)、佐藤錦(さとうにしき)
山形美人
ナポレオン、南陽(なんよう)、紅秀峰(べにしゅうほう)
◇さくらんぼにはたくさんの品種がありますが、東根市で大正11年(およそ80年まえ)
につくられた「佐藤錦」が全体の8割ほど栽培され、ナポレオンが1割、その他の品種が
1割の構成になっているそうです。
4.さくらんぼは、どのようにして作られているか。
◇さくらんぼは、10アールあたり10本〜15本ほど植えます。
◇果樹のほとんどは、同じ品種だけでは実を付けないので、違う品種と混ぜて植えます。
さくらんぼの場合は、佐藤錦を中心にナポレオンやその他の品種と混ぜて植えます。
◇さくらんぼは、雨が降ると実が割れるので、右の写真のようにパイプハウスを設置し、
6月はじめに屋根の部分にビニールをかけます。
◇ハウスのサイド側は、野鳥(スズメやムクドリ)から守るため、ネットを張ります。
◇さくらんぼは、太陽の光にあたると赤く色づきます。樹の下は光にあたりにくいので、
樹の下に銀色の反射シートをしきます。
◇さくらんぼの実を大きくするため、芽のときと青い実のときに間引き(つみとり)をします。
また収穫が近づくと、葉をつんで太陽の光が多くあたるようにして、収穫のときをむかえます。
【マメコバチについて】
さくらんぼは、自然のままでは受粉しません。このため、農家では河原などに生えている
「葦(よし)」を刈り取ってきて、これを束ねて果樹園においておき ます。マメコバチは約1センチメートルくらいの小さな蜂で、果樹や草花などの花粉を集めて
筒状になった葦の中に「花粉だんご」をつくり、そこに卵を産みます。
卵からかえった幼虫は、花粉だんごを食べながら大きくなり、さなぎになって冬を越し、
春に暖かくなると成虫(はち)になり飛び立ちます。マメコバチが盛んに花粉を集めるとき、
さくらんぼの花が受粉するのです。
←ハチの飼育のようす
ハチの巣のなか→
5.さくらんぼ作りで大切なことは何か。
◇さくらんぼの弱点(弱いところ)は次のとおりです。
@霜に弱い
東北地方には、4月中旬から5月上旬にかけて霜が降ります。これを晩霜(おそじも)といいます。
この現象は、冷たい空気が下に降りて、零度以下になると「霜が降りる」現象があらわれ、
花のめしべが枯れてしまい、実になりません。
このため、果樹園に防霜ファン(大きな扇風機のようなもの)を
設置し、これを回して
上の比較的あたたかい空気と混ぜて霜をふせいだり、大きな石油温風機を運転して、
果樹園の温度を上げて霜が降りるのをふせぎます。
A雨に弱い
さくらんぼが赤く色づきはじめるころ、日本は梅雨の季節を
むかえます。さくらんぼは雨にあたると実割れします。このため、パイプハウスを設置し、
屋根の部分だけにビニールを張り、雨がかからないようにします。(雨よけハウスという)
B鳥に食べられる
スズメ、カラス、ムクドリなどの野鳥は、さくらんぼが大好
きなので、何もしないと
多くが食べられてしまいます。このため、パイプハウスのサイド側にネットを張り、
野鳥の侵入を ふせぎます。
C病気に弱い
さくらんぼは灰星病(実がくさる)やミバエ(1ミリくらいの小さなハエがさくらんぼの実に卵を産みつける)
、ハダニ (葉の裏に住みつき、汁を吸う)が発生するため、大型防除機(スピード・スプレヤーという)
で年に数回防除します。最近は、農薬による健康への害をなくすため、防除の回数を減らしています。
6.さくらんぼをおいしく作るため、工夫していること
◇
さくらんぼで最もおいしい品種は「佐藤錦」ですから、農家の方は約8割は佐藤錦を植えています。
10数年まえまでは、雨が降ると実が割れるので、あまり赤くならないうちに収穫していましたが、
現在は雨よけハウスを設置しているので、十分に熟して真っ赤になった甘くておいしいさくらんぼを
収穫しています。
【さくらんぼの値段】
(生産者の価格ですから、関東・関西・九州などでは高くなります)
クール宅配便がかかります
バラ詰め
1Kg 3000から10000円
<さくらんぼ栽培ごよみ> 月 旬 さくらんぼの
様 子 仕事の内容
1、2 月 休 眠 (雪がつもる)
せんてい(枝切り)をします
3 月 つぼみ (雪がとける)
余分な芽をつみます
4月上旬 病気を防ぐため、防除します
(霜がおりる)
さくらんぼの花
中旬 咲き始め 霜を防ぎます
病気を防ぐため、防除します
下旬 開 花 マメコバチが飛んで受粉します
5月上旬 結 実 病気を防ぐため、防除します
さくらんぼの雨よけハウス
中旬 青い実がなる
余分な実をつみ、さくらんぼの実の数を調整します
(さくらんぼの実を大きくするため)病気・害虫を防ぐため、防除します
果樹園の草刈りをします
下旬
6月 上旬 青い実が大きくなる
さくらんぼの実割れを防止する
ため、雨よけハウスにビニールと防鳥ネットをかけます
熟したさくらんぼ(佐藤錦) 中旬
下旬
佐藤錦が赤く色づき始める(20日ころ)実が赤くなる
(佐藤錦の収穫)
(梅雨にはいる)色つきを良くするため、反射シートをしきます
さくらんぼの収穫を始めます
収穫したさくらんぼを透明パックなどに詰め、段ボールの化粧箱に入れて、全国に出荷します
7 月上旬 (ナポレオンの収穫)
雨よけ用のビニール・防鳥ネット・反射シートを取りはずす
果樹園に肥料をやります,,果樹園の草刈りをします
病気・害虫を防ぐため、防除します
さくらんぼのパック詰め作業 中旬
(収穫が終わる)
下旬
葉が落ちて休眠に入る (雪が降る)